和尚

老子より

 天下の人が皆、美を美と知った時、そこから醜さが起こる。天下の人が皆、善を善と知った時、そこから悪が起こる。

 つまるところ有と無は互いに補い合って成長し、難と易は互いに補い合って完成し、長と短は互いに補いあってコントラストをかもし、音程と声とは互いに補いあってハーモニーを作り、前と後は互いに補いあって結びつく。

 かくして賢者は、行わずして物事を処し、言葉なくして教えを説く。

 万物がそれぞれに生じ、しかも彼はそこから立ち去らない。彼はそれらに生命を与え、しかも我が物にしない。

 彼は行い、しかも着服しない。成して、しかも何一つ手柄を主張しない。

 何も手柄を主張しないからこそ、その手柄は彼から奪い取れないのだ。

 「無思考の境地に到達しろ」そこで初めて、一つになるからだ。

 選ばないこと、無選択でいなさい。この生をありのままに流れさせなさい。

 反対は、本当の反対ではなく、補足なのだ。それらを、分けないこと。

 区分けは、虚構だ。それらは、一つなのだ。

 人生では、がんばらないことだ。ただいる、BEなのだ。

 (空)であれば、あらゆる豊かさがひとりでにあなたのところにやってくるだろう。

 そして、約束することなく、延期することなく、考えることなく、未来について計画することなく、この瞬間に生きるもの、本当にシンプルな生、無垢な生をいきるものは、究極的な恵みがその人から流れ出す一つの媒体となる。


 社会は、どのようにあるべきかということをあなたに与えた。

 それで、あなたは未来の理想に取り付かれて、現在のリアリテイを忘れてしまったのだ。〜べき、〜ねばならばいという言語になってしまった。

 リアリテイは、(ある、IS)だけでできている。

 あなたは、こうあるべきだと思い、自分自身の(ある)と分裂してしまう。

 あなたは、あなたである以外になりようがない。

「私は自分自身である以外はない」ということが、深く浸透したらすべての理想が消えてしまう。と、あなたには分裂がなくなる。


この本も津留さんの考え方に近い。

 プラス思考というのは、二元論であり、必ずマイナスを伴う。磁石はいくらプラスだけ取ろうと思っても、必ずマイナスが付いてしまう。

 物事のいいほうを見ましょうというのが、プラス思考だと思いますが、いがいと辛いこともある。あるがままに見るのではなく、意識的にプラスのほうを見なければという思いがでる。

 いいとか、悪いとかの判断をしない。あるがまま、に