サージアスの死神

主人公の華田は、パソコンでイラストの仕事をしている。ありきたりの日常のなか、昼飯を食いに外に出る。

 そこに、水滴が落ちてきた。それとともに、人がビルから落ちてきた。

 頭蓋骨に穴の開いた奴のナミダが、華田をぬらしたのだ。それとともに、彼は落ちてくる人の目をみた。

 ついた血潮を落とすため仕事仲間と銭湯に行き、ひょんなことからギャンブルにいくことになる。

 ルーレットの魔力にはまった華田は、持ち金の全てをルーレットに注ぐ、そして底がつきかねたその時、かれの頭に数字が浮かんだ。26。

 彼は、ルーレットの玉が落ちる場所がみえるようになったのだ。

 これが、小説の出だしなのですが、かなりスピード感があります。

 非常によくできた小説だと思います。ただ、評者がいうように、12人の本の読み手、および公園のランボーの読み手およびその引用は、なんのために入っているのか理解ができなかった。
 それと、途中で入っている数字の羅列の意味がわからない。まさか、意味なしで入れてはいないでしょうね。

 でも、いままでの小説家にない才能を感じさせてくれました。次回の作品が楽しみです。ヌースの種子が、きっと花咲くでしょう。

 まあ、実際恐竜の骨があっても、恐竜はいないこともあるとか、節々にヌースの影響を感じさせてくれます。

 レインマンホムンクルスの影響も入っていますね。

 くれぐれも、頭蓋骨に穴を開けないようお願いいたします。